FLUTD用キャットフード

動物病院に来るネコちゃんの病気で比較的多いのが、FLUTDです。FLUTDとは、Feline Lower Urinary Tract Disease(猫の下部尿路疾患)の略称で、主に膀胱から尿道までに発症する病気です。尿結石や血尿、膀胱炎などが原因で痛みを伴い、悪化すると尿毒症になり命を落とす危険性もあります。

FLUTDになる原因の多くは、尿結石です。食事の中にマグネシウムやリン、カルシウムなどが多く含まれると尿結石が生成されるようになります。尿結石には、マグネシウムからなる「ストルバイト結石」とカルシウムからなる「シュウ酸カルシウム結石」の2つのタイプがあります。

ストルバイト結石は、1歳~7歳までの成猫に多く見られます。尿のpHがアルカリ性に傾くことで結石が生成されやすくなります。一方、シュウ酸カルシウム結石は、7歳以上の老齢猫が多く、尿のpHが酸性に傾くことで生成されます。同じ尿結石でも年齢によって異なるので、食事には注意が必要です。

FLUTDの予防には、水分をしっかりとることが大切です。元来猫は砂漠に生活していた動物なので、あまり多くの水分を必要としません。その分尿が凝縮され様々な老廃物が蓄積されやすくなっているのです。特に室内で飼われている猫は、運動量が不足しているので水分の摂取量が少なくなっています。運動量を増やして新鮮な水分を補給することが大切です。また、猫はキレイ好きなのでトイレが汚れていると排尿をガマンしてしまいます。常にトイレは清潔にしておきましょう。

FLUTD用のキャットフードを選ぶ基準としては、成猫の場合は、マグネシウムの含有量です。FLUTDの猫には、マグネシウム含有量は、0.09%以下と言われています。また、老病の場合は、カルシウムが少ないものを選びましょう。

また、オメガ3脂肪酸(DHA、EPA、αリノレン酸)は、膀胱炎などの炎症を軽減する効果があります。オメガ3脂肪酸が配合されているかも大切なポイントです。

尿のpHを正常に保つこともFLUTD対策には重要です。果実に含まれるビタミンCには尿を酸性に戻したり結石を溶かす働きがあります。また、人間の結成用の薬にも配合されているメチオニンはアルカリ性に傾いた尿を賛成に戻す効果があるので、これらの成分が配合されているものもオススメです。

但し、FLUTD用のキャットフードを健康なネコちゃんに与えると尿のpHのバランスを崩してしまうことがあるので、注意して下さい。