pHコントロール用キャットフード

猫は、元来砂漠で生活していたため、あまり水分を必要としていません。そのため尿が凝縮しているので老廃物が溜まりやすく、泌尿器系の病気に罹りやすくなっています。

膀胱炎や尿路結石などに悩むネコちゃんも少なくありません。これらの病気は尿のpHがアルカリ性に傾くことが原因と考えられています。アルカリ性が強くなると結石が生成されやすくなり、細菌も繁殖しやすい環境になります。

では、愛猫の正しいpH値とはどういうものなのでしょうか?

pH値は、0~14までの数値で表されます。7が中性でそれより下が酸性、上がアルカリ性になり、理想的なのは、「弱酸性」です。猫の場合、6.0~6.4が正常値です。pHが7以上になると結石が作られやすくなります。逆に6以下になると老猫に多い「シュウ酸カルシウム結石」が生成されやすくなります。

pH値を計測する方法で、もっとも安価で簡単なのが「リトマス試験紙」です。薬局やペットショップ、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。但し、変化の度合いを判断するのが難しいのが欠点です。

正確にpH値を知りたい場合は、pH測定器があります。0.1単位で計測できますが、金額的には安いものでも数千円はします。

また、リトマス試験紙のように色の変化でpHが判断できる猫砂も販売されています。

膀胱炎や尿路結石対策としては、pHコントロール用のキャットフードがあります。pHが弱酸性になるようにカルシウムなどの栄養素を含み、ナトリウム(塩分)を多くして水分を多く摂取するように作られています。

pHコントロール用のキャットフードは、心疾患のある猫にはナトリウムが病気を悪化させる原因になります。また、妊娠中や授乳期の猫にはタンパク質が不足してしまう危険性があります。さらに長期間、健康なネコちゃんに与えると泌尿器のトラブルになることもあります。

pHコントロール用のキャットフードを与える場合は、愛猫の状態をしっかりと把握することが大切です。